官房長の日記帳

官房長の日常を綴りつつ、趣味の旅とグルメのお話をします。

福岡旅行記

さて、舟下りの船頭さんは若い女性の方であったが、とても元気のよい人だった。船上でお団子を頂いたりしたが、かろうじて雨には見舞われずに済んだ。f:id:kanbocho:20200520225911j:image

桜も大方咲いていた。最後には船頭さんがお歌を歌ってくれた。

 

この堀は、かつてこの地にあった柳川城の防御のためのものだった。今は城跡しかなく、舟下りの終点の柳川藩主立花家のお屋敷周辺以外は、観光地ではない。時々歴史を感じさせる建築物がありながらも、多くはごく普通の住宅である。住宅ともよくマッチした景観であると同時に、水上交通や漁の場としての役割を失った水路は、前時代の忘れ物のようでもある。

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しかし、流石に飲料水としてはもう使われなくなったようだが、地域住民のレジャーの場としては健在なようである。個人でボートを所有している人がいたり、冬にこたつ舟でおでんを楽しむ人もいるらしい。

 

さて、先述のお屋敷の小さな入口に舟は乗り付ける。柳川の観光地というとここぐらいなものだからか、名物の鰻の店はこの周辺に集中している。一度大きな門から敷地外に出て、店が並ぶ通りに向かう。水路の両側に並ぶ店を一通り見て回ったが、水路に橋がかかっていないため、それなりに歩く羽目になった。


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いくつか店の候補はあったが、結局、江戸時代・安政年間創業の老舗、若松屋さんに入った。玄関に入って少し待つと、母屋に通された。流石老舗である、親切なスタッフに導かれ、入り組んだ建物の奥へ向かう。スタッフがやけに多い。繁盛しているようである。私が通された部屋は広い和室で、おっさんの集団と1人のおっさんがいた。


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小さな庭を見られる席に着き、素焼き(白焼き)定食を頼んだ。柳川名物と言うと、一般的には、鰻の、せいろ蒸しなんだけれども。ふっくらと焼き上げられた淡白で上品な鰻を頂いて、一服すると、店を出た。f:id:kanbocho:20200524223954j:image

 


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先のお屋敷に戻り、見学させてもらった。明治に建てられた西洋館からつながっている、金の兜がずらりと並んでかけられている廊下に面した大広間から、庭園・松濤園を一望することができる。広大な池を石組みと松だけで飾っている。
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レストラン棟の2階のベランダからも同じ庭園を望む。


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奥に見えているが、今は、建築物・庭園の見学のみならず、料亭や宿泊施設も併設されているらしい。この施設の奥にも敷地は広がっていたらしいが、雨が激しくなったので見て回れなかった。

資料館に、葵の紋の入った小物が陳列されていた。どうやらかつて徳川一族から嫁入りしていた人の調度品だったようだ。

 

ここの正門から、舟下りを利用した人専用のバスが舟の乗り場まで運行されているそうなので、雨宿りをしてバスを待つ。やってきたバスに乗り込む。運転手は船頭さんでもあるから、舟を操る上に、大型車両の免許も持っているのだろう。私の他は大学生の団体だけで若干悲しくなってしまった。一人旅の哀愁である。

 

バスは舟乗り場までしか運んでくれないので、そこから徒歩で駅に向かう。ホームでしばらく待って、来たときと同じ、特急列車の福岡ゆきに乗る。結局朝が早かったせいで、西鉄久留米で眠りに落ちて、福岡市内の大橋あたりまで起きなかった。


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福岡の駅に着いて、ちょっとうろうろすると、地下鉄の天神駅から博多に向かう。福岡駅では、ロープ柵を導入しようと試験中のようであった。地下鉄の天神駅まで地下道を通って行く。人の波に飲まれる感覚を久しぶりに味わう。ここ福岡・天神は福岡市の中心地の1つで、福岡市の玄関口として有名な博多までは地下鉄で3駅と、少し離れているのだ。

 

柳川でかなり時間を潰して、ゆっくり移動してきたので(特急には乗ったけれど)、博多に着いたのは5時頃だったが、新幹線は7時半なので、ここでも時間を潰さないといけなくなった。わざわざ観光しに来ている旅行で時間を潰すのは変な気分だが、時間があるが故の贅沢とも言える(潰すこと自体はどう足掻いても苦痛だが)。


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駅をうろうろしてみるが、これでは始めて上京(東下り)してきた人間みたいではないか(福岡だが)。熊本からの使徒がどっかり座っていた。こういう時は本屋にでも行くのがベストなのだろう。

 

さて、晩ごはんはもつ鍋のつもりだったので、アミュプラザの店に向かう。列ができ始めたところだったので並ぶが、お一人様は私だけだったので、カップルたちを追い越して早々に店内に入れた。
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一人でつついても非常に美味しかった。

少しお腹を休め、今度はラーメン屋に。f:id:kanbocho:20200524235031j:image

実は豚骨ラーメンはそんな好きではないのだが、福岡との別れを惜しむには最適である。

 

土産物を買い込んで、新幹線ホームへ。

 

時間も時間なので、車内は行きよりは空いている。


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さらば福岡!

 


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伝統芸能にもきちんといそしむ。

旅から帰っている時の私は疲れていたはずだが、これを書いている私も疲れてきて文が短くなってきた。

新大阪止まりのさくらだったので、列車から吐き出された出張族のおっさんに紛れて帰る。結局帰宅は午前0時頃であった。そしてこれを書いている今も午前0時________

今から風呂に入る。読了お疲れ様でした。 全四部 完